プライマリー・バランスの呪縛その2~財政規律を緩めなければ、デフレが続く~!~

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 魁新聞より
 藤井 聡氏 内閣官房参与(京都大学大学院教授)のメルマガが届きましたので、そのまま掲載します。
 今、多くの国民の皆さんが真実に気が付かなければ、いつまでもデフレが続き、日本は、低所得者であふれ、増税・社会負担で苦しみ、若者が将来に希望を見いだせない国に本当になってしまいます!!



 「注意報:「財政規律」を巡る攻防でいま、「デマ」が横行しています」
From 藤井聡@内閣官房参与(京都大学大学院教授)


6月に閣議決定される、

次年度以降の経済財政方針を決める

「骨太の方針」、

その中のプライマリーバランス(以下、PB)についての記述は、

今後5~10年程度の財政の「枠」を決める、

超重要なものです。

そして、それに向けて今、様々な議論・調整が重ねられ、

それはまさに、経済安全保障上の「国防」のための

超重要な攻防戦なのです―――というお話は、

これまで何度か申し上げた通りです。

https://38news.jp/economy/11786

折りしも今、政府からは、

「プライマリーバランス黒字化を2025年度にする方向」

という「観測気球」とも受け取れるような

情報が発信されています。

https://bit.ly/2JZLvaI

さらには、PB制約だけでなく、

「財政赤字」制約についても、閣議決定しようという動きが

報道されています。

https://news.yahoo.co.jp/pickup/6281695

財政赤字、というのは、

PBという「基礎的財政収支」にさらに、

「国債の利払い費」や「国債の償還費」を加えた「収支」。

今、これを3%以下にしよう、としている訳ですから、

場合によっては、

PBよりもさらに激しく財政を抑制する制約、

となり得るものです!

このように、「緊縮派」からの攻撃が、

日に日に「激化」しつつある今日この頃なのですが、

その攻防戦で飛び交っているのは、

もちろん鉄砲や大砲の弾ではありません。

それはあくまでも「情報戦」であり、

そして彼らの最大の武器は、「デマ」なのです。

このお話は、先週の「週刊ラジオ表現者」でも、

『「日本の借金」のウソが、日本を滅ぼします。』

と題して詳しく取り上げたのですが・・・

https://the-criterion.jp/radio/20180507-2/

要するにこれは、

2015年の「大阪都構想」の住民投票を巡る

「デマvs真実」という情報戦と、

同じ様相を呈しているものなのです!

例えば今、そんな「デマ」という実弾が、

「朝日新聞」から大々的に発射されています。

朝日新聞と言えば、

「反政府的」なメディアと思われがちですが、

不思議な事に、こと「財政問題」については、

政府を動かす最強官庁である財政当局の

「プロパガンダ機関」かと疑う程の情報を配信しています。

具体的に説明しましょう。

5月6日の記事

『財政悪化、重い政治の責任 有識者10⼈、どう総括』

https://digital.asahi.com/articles/DA3S13481630.html?rm=150

は、「財政に詳しい有識者10人」の意見という体裁をとり、

そのうちの8名もが、

次のような意見を述べたと報じるものでした。

「確かに財政再建はずっと大きな政治課題だったが、そうと知りつつ多くの政権は増税を先送りした。バブル崩壊後にはたびたび財政出動もして歳出を拡大させた。その責任は大きい。同時にそれを許した「国民世論」(6人)、「財務省(旧大蔵省)」(4人)にも責任はある、という指摘も少なくなかった。」

これに続いて次のような声を紹介します。

「柳沢伯夫・元厚生労働相(は)『消費税率を上げても歳出がザルでは、水はたまらない』と、歳出削減の必要性を訴える。」

「出口治明・立命館アジア太平洋大学長は『少子高齢化が進む中で福祉水準を維持するには、欧州並みの消費税率が必要』と言う。」

「神津里季生(りきお)・連合会長は・・・社会保障を守るのに消費増税は必要だが・・」

・・・

要するに、ほとんどの財政に詳しい専門家が、

・財政政策をやってから、財政が悪化した。

・それを許した国民や財務省も悪い。

・だから、消費増税を待ったなしだ。

・それに加えて、もっと社会保障の負担率も上げよ、

・さらには、もっと歳出をカットせよ。

と主張している、という記事です。

したがって、これらの意見を踏まえるなら、

「今年の6月の骨太の方針でも、

 厳しいPB黒字化目標をたてるべきだ!

(加えて国債費を含む財政赤字規律も!)」

という、政府財政当局が喜びそうな帰結が、

自ずと得られるようになっているわけです。

しかし、この記事に紹介された情報は、

完全なる「デマ」と言わざるを得ないものです。

そもそもこの10人の「財政に詳しい有識者」達は皆、

財政政策→経済成長→税収増

という、明らかに存在する因果プロセスを無視

(ないしは軽視)しているようです。

ちなみに、この因果プロセスは逆に言えば、

・消費増税&支出カット→デフレ継続→税収減

というものと同じプロセスなのですが・・・

(詳しくは、拙著『プライマリーバランス亡国論』を参照ください。

https://www.amazon.co.jp/dp/4594077323

この因果プロセスは、

経済財政を誠実に考える上で最も重要な要素です。

なぜといって、この因果プロセスを想定すれば、

「財政再建には、

緊縮と積極のいずれかを、

状況にあわせて選択していこう」

という、至って穏やかな理性的結論が導かれるのですが、

この因果プロセスを無視すれば、

「財政再建には、積極なんてもっての他、緊縮しかない!!」

という極端な話に、必然的になってしまうからです。

だから、「財出→税収増」という

厳然と存在する因果プロセスを考えるかどうかは、

財政政策のあり方を考える上で、

何にもまして最も重要な決定的要素となっているのです。

にも拘わらず、それを無視するということは、

これらの人々は「財政に詳しい有識者」どころか、

「財政について重要事項を知らない人々」

に過ぎない、と考えざるを得ません。

(ちなみにこの「偏った」というのは、

「少数派」ということではなく、

「真実からの乖離が大きい」という意味です)

具体的に言うなら、

歳出削減の必要性を訴えた柳沢元厚生労働相は、

「歳出削減」が成長を滞らせ、

かえって「財政を悪化」させてきた、

という実態を理解しておられないようですし、

https://38news.jp/economy/11822

「福祉水準を維持するには、欧州並みの消費税率が必要」

とおっしゃった出口立命館アジア太平洋大学長や、

「社会保障を守るのに消費増税は必要」

とおっしゃった神津連合会長は、

消費増税によって成長が滞り、税収も減る、という、

理論的・実証的に明らかに予想され、

しかも、過去に繰り返されてきた「歴史」

をご存じないようなのです。

https://38news.jp/economy/11863

ちなみに、これを書いた「編集委員」は、

「原真人」という方なのですが・・・

この方は要するに、

「財政に詳しい」という体裁をとりながら、

「特定の偏った意見」を持った人々だけを対象として、

しかも、「アンケート」という体裁までとって、

「真理の力」でなく「数の力」で特定意見に、

世論を誘導しようとしている、

という可能性が激しく疑われるわけです。

・・・

ここで紹介したデマは、

日々、大量に配信されているデマのごく一部に過ぎません。

今年の骨太以降もこうした情報戦は続いていきますが、

あと一ヶ月間は、特に重要な攻防戦となっています。

本メルマガを購読されている

一般国民の方はもちろんのこと、

マスコミや官僚や政治家におかれましても、

こうした状況認識をしっかりしていただき、

適切な情報を発信頂ければ幸いです。

どうぞ、よろしく御願い致します。

追伸1:

こうした「デマ」「ウソ」の横行の背景に、

どういう社会構造があるのか・・・については、

「表現者クライテリオン」であれこれと論じています。

是非、ご購読下さい!

https://the-criterion.jp/category/backnumber/

追伸2:

また、今週の「表現者メルマガ」では、

憲法問題なども含めて、あれこれ論じています。

(例えば、https://the-criterion.jp/mail-magazine/20180507/

ご関心の方は是非、下記よりご登録下さい!

https://the-criterion.jp/category/mail-magazine/





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by masahirogenki | 2018-05-09 10:43
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専業農家と横手市議会議員をやっている佐藤誠洋です。


by 佐藤誠洋
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