十五夜~豆名月~
2013年 09月 19日
秋の澄みきった夜空に浮かぶ月、、、、 日本酒が一段とおいしく感じます。 人恋しくなりますね。
豆名月といえば、いつもこの時期、小田島青果のばあちゃんを思い出します。
私の脱サラのきっかけの一つが家に帰って美味しい枝豆を作って、一儲けしたい、ということがありました。
買って食べる身にとっては、たいして美味しくもないのに、値段は高級でした。 ならば!と脱サラしたわけ
ですが、帰って始めてみると、当時は手もぎが主流で、枝豆は、高級品で、品評会に出すような、自主検査が
厳しく、その代りブランド品で、値段が高いというのが、平鹿町農協の枝豆でした。
当時私は品評会スタイルに馴染めず、いち早く機械によるもぎ取り、選別が自分のスタイルにあっていると
思い、独自で機械を導入して、今では当たり前の、相対取引で、十文字の小田島青果に枝豆を納めていました。
豆名月の少し前になると、ばあちゃんが高く買ってくれて、また、十文字のお祭りの時は、出荷の時にアルコール抜きの接待をしてくれました。
いつも、この時期に思いだします。 私自身も周りに支えられて一生懸命でした。 平鹿町農協の枝豆部会
も方向転換し、全県に先駆けて若造に刺激されて、県の夢プラン事業を使い、機械を導入して卸を通じた相
対取引で、どんどん実績を伸ばしていきました。 懐かしい思い出です。 農家のやる気がいつも満ちていました。
今は、県が枝豆日本一を目指しています、が、農家個々の手取り、収入をいかに上げていくのかが、カギとなります。
面積が増えて、出荷金額が増えるだけでは、県、農協単位の話で終わってしまいます。(最近のJA、行政の実績はこればっかりだ。)
単価を農家が意欲を増せる金額にすること、だから、品質統一、高めるという、同意がブランド
力を高め、日本一に結びつきます。 いつまでも成り行き任せは、売り方がへた、付加価値の高め方がへた、で終わってしまいます。
農家がしびれをきらして、後継者が育たず、そのうち県知事や担当者が代われば、「秋田の枝豆」の行方はわからなくなってしまうかもです。
十五夜は豆名月です。
間もなく最後の品種、「秘伝」は最高です。毎年楽しみです。生産者の皆さん、なにとぞ「秘伝」を作り続けて下さい。
皆さん、「秘伝」を食べることなくて、枝豆のなんとかを語ってほしくないです。 名前もいいでしょ。「秘伝」だもの。
まあ、食べる前から、ゆでてる段階で、「!!!!!」であろうと思います。
ただものではない香りがプンプンですよ!(元平鹿町農協枝豆部会役員)